会員サイトが欲しい、というニーズは最近増えてきているように思いますが、実はWordPressを使うと結構お手軽に作れます。その際よく利用されるのが『Theme My Login』というWordPressプラグインです。
【Theme My Login】
https://wordpress.org/plugins/theme-my-login/
会員サイトの具体的な作り方については、以下のリンク先で分かりやすくまとめて下さっているので、自分で構築したいならひと通りやってみると上手くいくと思います。
WordPressで会員制サイトを構築してみよう(事前準備)
ただ、ひと口に「会員サイトが欲しい」と言っても、目的ごとに必要な機能って変わってきますよね。例えば完全に会員登録しないと見れないサイトにしたいのか、記事の一部だけは登録者限定にしたいのか、とか。
なので本記事では、「どんな機能の会員サイトが欲しいか?」というパターン別に、『Theme My Login』の設定、他のWordPressプラグイン、テーマのカスタマイズ、等を組み合わせて、どうすれば実現出来るか?のアイデアを思いつく限りまとめてみます。
追記:「Theme My Login」の基本設定や各モジュールでどんな事ができるのか?をまとめた記事シリーズも公開していますので、こちらも合わせてご参考に。
目次
事前に知っておきたい事
重要:
Theme My Login 入れただけじゃ、
会員サイトになりません
まず最初に知っておいて欲しいのは、Theme My Loginはあくまで「会員登録+ログイン」機能を追加してくれるだけ、という点です。
このプラグインを導入して、(上のリンク先に書かれているように)いくつかのファイルをコピーして、初期設定のまま、というだけだと、多くの人が期待しているような「会員制サイト」にはならない・・という事です。
実際、Theme My Login を導入すると、サイトを訪れた人が以下のような操作を出来るようになります。
1)「会員登録ページ」から登録
2)登録した情報で「ログインページ」でを入力
3)「プロフィールページ」から登録情報を閲覧&修正可能
サイト内の記事は、ログインしていてもしていなくても、特に何も変わりなく全て表示されます。唯一異なるのが「プロフィールページ」に行くと、ログイン中の時だけ自分の情報が表示されるという点くらい。
見た目にあまり変化が無いので、初めて Theme My Login を使う際は「あれ?」となるかもしれません。このプラグインは、設定を細かく調整したり、別プラグインやテーマのカスタマイズを組み合わせる事で、真価を発揮していくのです・・っ!
目的別 会員サイトの実装アイデア集
さて、本題です。様々な形態の会員サイトについて、どうやって実現すれば良いか?1つ1つ見ていきましょう。
完全非公開式の会員サイト
全ての記事が、ログインしていないと閲覧不可にします。会員サイト、と聞くとこのイメージを持つ方が一番多いのではないでしょうか。
これは実は、とっても簡単です。
1)WordPress管理メニューの「TML」->「General」と進み、「Enable Security」にチェックを入れる
2)「TML」メニュー内に新たに追加された「Security」内の「Require users to be logged in to view site(サイトを見るにはログインしなければなりません)」にチェックを入れる
これだけで、ログインした人にしか閲覧できない会員制サイトの出来上がりです。
(どのページを開いても、ログインしていなければこうなる)
完全非公開式かつ
勝手に登録できない会員サイト
例えば「購入者限定サイト」なんかを用意したい場合は、誰でも自由に登録できてしまうとマズいですよね(笑)なので、購入者だけが登録できる会員サイトが欲しいと思います。
外部からの会員登録を不可にするには、WordPress管理画面の「設定」->「一般」内にある「誰でもユーザー登録ができるようにする」のチェックを外せばOKです。
ただ、これを外すと手動で会員登録する必要があります。ここは購入発生がどのくらいの頻度なのかによっても変わってきますが、例えば期間限定で販売し、購入者限定サイトは皆一斉に使い始める(追加募集は無し)・・といった形であれば、1回だけ全会員を登録して後は「Require users to be logged in to view site」を外しておけば、勝手に増える心配はありません。
購入が随時発生するような場合は、購入の度に手動で追加なんてやってられないと思いますので、購入システムと連動してプログラミングレベルでカスタマイズする必要がありそうです。
一部の記事のみ会員限定のサイト
これは『WP-Member』というWordPressプラグインを組み合わせて実現できます。
【WP-Members】
https://wordpress.org/plugins/wp-members/
このプラグインを導入すると、以下のような設定画面が現れ、投稿記事や固定ページを「未ログイン状態で閲覧可能にするかどうか」チェック1つで設定可能になります。(テーマのカスタマイズなど、プログラミングする必要なし)
また個別に「基本的に全部非公開だけど、この記事だけは公開したい・・」といった場合も、各投稿ページに次のようなエリアが増えているので、ここにチェックを入れるだけで実現できます。
記事の途中から会員限定になるサイト
さらにさらに、大手メディアなどでも良く見かけるのが「記事の冒頭だけ読めるけど、それ以降を読みたければ会員登録してね」という仕組みのサイト。実はこれも、先ほどの『WP-Members』を使えば実現可能です。
いくつかの設定を組み合わせる必要がありますが、右のように「<!–more–>(続きを読む)」を挿入するだけで、公開したい文章と非公開にしたい文章を設定できるようになります。
その他、細かい拡張機能など
色んな形態の会員サイトを見てきましたが、もう少し細かく機能的な面で要望の多そうなものも、まとめてみました。基本的に上記どの形態でも取り入れられると思います。
メールアドレスやSNSによる
登録&ログインがしたい
Theme My Login の会員機能は、WordPressのユーザー管理機能をそのまま使っています。WordPressの管理画面にログインする時って「ユーザー名」と「パスワード」を使いますよね?なので、Theme My Loginも標準だとこの2つで会員登録してもらう形になっています。
・・ただ、不特定多数のユーザーに会員登録してもらうなら、ユーザー名よりはメールアドレスの方が良いですよね。メルマガ送ったり、直接連絡したりも出来ますし。
こうしたやり方は、上記で紹介したブログ記事の続き(WordPressで会員制サイトを構築してみよう(ユーザー項目の変更 その1))にも書かれていますが、テーマファイルやfunctions.phpを少しいじれば実現できます。
また、この機能を利用すれば、いわゆる「リスト獲得用ランディングページ」のような仕組みも構築可能です。
Theme My Login には「会員登録時に自動返信メールを送る」機能があるので、会員登録ページのテーマファイル(register-form.php)まわりをいじってランディングページ化すれば、このページにメールアドレスを入力して送信すると、自動でPDFダウンロード方法が記載されたメールを受け取れる・・といった仕組みにする事が可能です。
FacebookやTwitterでの
ソーシャルログインがしたい
また最近はFacebookやTwitterでのSNSログインが出来るサイトも増えてきています。これには『Gianism』というWordPressプラグインが活躍します。
【Gianism】
https://wordpress.org/plugins/gianism/
これを導入すれば、ログイン画面のメールアドレス&パスワードを入力する下に、「Facebookでログインする」「Twitterでログインする」などのリンクが表示されるようになります。
退会機能を付けたい
実は Theme My Login って、退会する機能がありません。一度登録したら、管理者が手動で消さない限り永遠に登録されています(汗)
というわけで、登録者が自主的に退会できるようにするには、以下のプラグインを合わせて使えばOKです。
【Never Let Me Go】
https://wordpress.org/plugins/never-let-me-go/
※ ちなみに『Gianism』と『Never Let Me Go』は同じ日本の開発者さんです。素晴らしいプラグインに感謝。
まとめ
以上、WordPressプラグイン『Theme My Login』を中心に、様々な目的に応じた会員サイトのアイデアと実装方法について見てきました。
僕自身も実践していますが、会員/コミュニティを重視したやり方は、関係性の構築や収益の安定化など、分野問わず取り入れられるビジネスモデルだと感じています。本記事の内容を元に、あなたのビジネスに合わせて最適な「会員サイト」という武器を手に入れてみて下さい。
また、会員サイト制作の依頼も随時受け付けていますので、興味のある方はブログ下のフォームからお問い合わせ下さいませ。ではでは。
追記:「Theme My Login」の基本設定や各モジュールでどんな事ができるのか?をまとめた記事シリーズも公開していますので、こちらも合わせてご参考に。
theme my loginを日本語化するにはどうすればいいですか?
wp-content/plugin/theme-my-login/language
というフォルダに、theme-my-login-ja.mo というファイルを置いても日本語化されません。
お使いの theme my login のバージョンは何になりますでしょうか?
「バージョン6.3.x」以前と「バージョン6.4.x」以降で
日本語化用ファイルが異なるので、もしかするとそれが原因かもしれません。
(自分も当時ハマりました)
6.3.x 以前は以下サイトの日本語化ファイルを。
http://yahss.net/wordpress/653-theme-my-login-japanese-po-file/
6.4.x 以降は以下サイトの日本語化ファイルを試してみてください。
http://wpcj.net/313
(ファイルを置く場所も異なりますのでご注意ください)
こんにちわ、素晴らしい記事で勉強になりました。一つお伺いしたいのですが、TMLのウィジェットがありサイドメニューに表示させています。ログイン後にのウィジェットには、ダッシュボードとプロフィールが表示され、wpのページへ遷移されますが、そのリンクをカスタマイズしたい、もしくは消したい場合はどのファイルを修正すればよいでしょうか?
コメントありがとうございます。ログイン中のTMLウィジェットに表示したいリンクについては、「Custom User Links」を有効にする事で設定可能になります。(TMLメニューの「一般」でチェックを入れると有効になります)
以下の記事も参考にしてみてください。
http://while-creation.com/thememylogin-setting-customuserlinks/
よろしくお願い致します。